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鈴木農園が切り拓く蓮台寺柿の未来―親子で紡ぐ持続可能な農業のかたち

蓮台寺柿栽培農家の中でも、独自の道を歩む鈴木農園の鈴木隆生さん。父の代から引き継ぎ、独自の農法へのこだわりと、クリエイティブな発信力を武器に、蓮台寺柿の新しい可能性を切り拓いている。

鈴木さんが大きな決断をしたのは約20年前のことだ。当時、父親が体調を崩したことをき っかけに会社を退職。農業に専念することを決意した。

土づくりから徹底的にこだわり、品質を追求し続けてきた。
「化学肥料だけに頼ると、土が死んでしまう。」と鈴木さんは語る。

土を掘ってみると、ミミズや様々な虫が生きている。そういう土でなければ、良い柿は育たない。化学肥料だけを使い続ければ、土の中の微生物や有機物が減って土が痩せやすくなり、結果的に柿の糖度も下がってしまう。

この地域で栽培されている柿の8割は早生のタイプだが、土づくりから栽培方法により完熟のタイミングや味わいには微妙な差がでる。こだわりの度合いによって品質が変わり、それが価格に反映される。画一的なブランドではなく、作り手の個性が表れるのが蓮台寺柿の面白さでもある。

「土も違えば、味も違う。採れる場所で条件が変わる」
鈴木さんは様々な栽培方法を研究し、新たな知識と試行錯誤を重ねていまのスタイルにたどり着いた。

現在は2人の娘さんとともに親子3人で約500本の柿を栽培している。
娘さんたちは幼い頃は柿畑が遊び場で、手伝いをしながら育った。「農家の宿命」と笑いながら語るが、20代前半から本格的に農業に携わるようになった。

鈴木農園の大きな強みは、クリエイティブな発信力だ。ロゴやパッケージデザインを娘さんが手がけ、洗練されたビジュアルで商品価値を高めている。

こんなに美しい事業継承は珍しく、この家族経営の特異性を表している。親子リレーというよりも、それぞれの得意分野を活かした家族プロジェクトのようだ。

「品質があって、情熱があって、その上で発信することが大事」と言う。まさに鈴木農園は、父が築いた品質と土台の上に、クリエイティブな発信力が加わり、理想的な相乗効果を生み出している。

そんな鈴木農園の一日は、他の農家に比べると比較的遅い。収穫期には朝6時に起きる農家が多いなか、鈴木農園では8時ごろから収穫作業を行う。午後は出荷作業に専念し、翌日の昼には全て出荷する。

年間を通じてのサイクルも確立されている。収穫期を終えて12月末から3月中頃まで剪定作業、5月からは実の間引き、その間も草刈りや消毒が入る。「一年中何かしらはやっている」が、無理のない範囲で、効率的に作業を進めている。

楽しんで仕事ができる環境を作ることが、持続可能な農業につながる。「雨が降っても作業に行く」という昔ながらの働き方ではなく、効率よく、ストレスなく働ける環境を目指している。

鈴木農園の土地は、戦国時代から代々受け継がれてきた。数百年の歴史をもつこの土地で、新しい農業のかたちが生まれようとしている。

農法へのこだわり、クリエイティブな発信力、オープンマインドな姿勢、そして家族の理想的な協働体制。鈴木農園には、持続可能な農業の要素が揃っている。

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